「昨日は飲みすぎたけど、今日は仕事しなくちゃいけないからレッドブルで気合つけなきゃ」
なんて駅前でエナジードリンクを買うことってありますよね。
精力剤として”夜頑張るために”飲んでいるという方も多いと思います。
でもこのエナジードリンクが原因で死に至るという事件が、日本でも起きていたことを知っていましたか?
2015年12月に警察が、エナジードリンクを常用していた20代の男性がカフェイン中毒で死亡していたことを発表しました(常用による中毒死は国内初)。
調べてみると、アメリカに至ってはびっくりする数字が出ていました。
この男性は、24時間営業のガソリンスタンドで深夜から早朝にかけて働いていて、仕事の後は夕方まで活動。その後、夜まで寝てまた仕事に行く。という生活をしていたそうです。
おそらく、相当不規則でかつ睡眠不足の状態を続けていたのではないでしょうか?
亡くなる直前には度重なる遅刻のことで叱られたらしく、
「もう遅刻できない」とエナジードリンクを大量に飲んだということです。
助かる手段はなかったんでしょうか?
そしてなぜ死に至るまで周りの人は気づいてあげられなかったんでしょうか?
現在日本では最も売れている『レッドブル』の他にも多くのエナジードリンクが販売されています。モンスター、バーン、ロックスター、ライジンなどメジャーなものから、知名度のないものまで、ものすごい種類です。
この男性がどの種類を飲んでいたのかは発表されていませんが、多くのエナジードリンクに含まれている成分を挙げてみます。
・アルギニン
・ナイアシン
・ビタミンB群
・カフェイン
精力剤にも多く使われているアルギニン、ナイアシン、ビタミンB群が含まれているので、精力増強をフォローしてくれることもあると思います。
事件の男性は、この中のカフェインが原因で死亡してしまったわけですが、
カフェインはそんなに危険なものなんでしょうか?
カフェインは、アルカロイドという化合物の一種です。覚醒作用や解熱鎮痛作用があり眠気、倦怠(けんたい)感、頭痛などに効果があります。
ただし、カフェインには依存性があり、摂取量によっては今回取り上げた男性のように死亡に至るケースもあるんです。
カフェインの致死量は「3g」程度。男性が飲んでいた飲料には1本当たり150~170mgのカフェインが含まれていました(日本で販売されている中では、この量を含むのは「眠眠打破」や「強強打破」など)。
そう考えると10本とか20本クラスで、相当飲まないと中毒にならないと思いましたが、
違いました!
”急性”の場合は違うんですね。
一般的な成人だと、1時間以内に6.5mg/kg以上の摂取で約半数の人に、3時間以内に17mg/kg以上の摂取でほぼ全員に起きるといわれているということ。
体重60kgの人なら「1時間に390mg、3時間に1020mgが危険量」となります。
カフェインは、摂取を続けると耐性ができてしまいます。毎日とり始めると、だいたい7日から12日程度で耐性ができ、12~24時間経過すると、禁断症状を感じ始めるそうです。
カフェインにもアルコールやギャンブルと同じように、実は依存症があるんですね。
そうして、この男性は摂りすぎてしまったと思われます。
こういう依存症もあるんだということを知っておくことが大切なんじゃないでしょうか?
最近ではレッドブルと掛け合わせたカクテルも人気ですよね。
ただアルコールと一緒にカフェインを摂りすぎるのは危険なのが当然にしても、ほかにも意外と多く含んでいるものもあるので、注意してください。
これらと一緒に飲むとヤバイので知っておきましょう!
他にも盲点なのが、風邪薬や解熱鎮痛剤にも多く含まれていることです。
例えばバファリンやイブには1錠当たり40mg、風邪薬にも10~30mg程度のカフェインが含まれています。
※他にももっと多く含まれている医薬品もあるので用法容量を確認してからご使用ください。
平均睡眠時間がどんどん減少している傾向なのに対して、エナジードリンクの売り上げは右肩上がりに。
アメリカをはじめ、海外にはもっと信じられないほど多くの種類のエナジードリンクがあるので、日本でもこれからもっと種類が増えてきます。
カフェインの量が多かったり、中には精力剤としての効果を標榜したような商品もでてくると思います。
どのくらい飲んだら危険か、ほかにも多く含んでいるものは何なのかを知っておけば安心ですね。
「エナジードリンク」と呼ばれる飲料を日常的に飲んでいた九州地方の20代男性が昨年、カフェイン中毒により死亡していたことが12/22、分かった。常用での中毒による死亡報告例は国内初とみられる。深夜帯の勤務だった男性は眠気覚ましで毎日のように多用しており、この飲料は短時間に約20本飲むとカフェインの致死量に達するという。
眠気覚ましや疲労回復効果で近年人気のエナジードリンクだが、注意が必要な事態が起きた。
男性の解剖を警察の依頼で担当した福岡大法医学教室の久保真一教授によると、血中濃度が血液1ミリリットル当たり約70マイクログラム以上に達すると死亡例が報告されているが、男性の解剖時の血中濃度は同182マイクログラムだった。
産経ニュース:2015.12.21 カフェイン入り清涼飲料水大量摂取、20代男性が中毒死…眠気覚ましで常用 米では十数例報告