現在、ED治療薬の中でシェア1位といえば”シアリス”です。
シアリスはアメリカノEli Lilly(イーライ・リリー)社が製造しているED治療薬。有効成分「タダラフィル」を使用しています。公称資料では36時間の連続効用があるとの記載。36時間勃起し放題ってことですね。
対して、バイアグラは3~5時間。
そしてバイアグラとレビトラが酒を飲みすぎた後だと、効き目が出にくくなるなど、食事の影響を受けるのに対して、シアリスは食事の影響を受けにくいことも人気の理由です。
しかし、2011年にはそのシアリスのジェネリックを使用した日本人男性が病院に運ばれたり、死亡に至ったとみられる事件がありましたので、紹介します。
2011年6月頃に40代の男性が偽のシアリス50mgの錠剤を服用し、数時間後に痙攀、意識低下で奈良県立医科大学病院に搬送されました。
さらに、同年1月中旬に呼吸苦で搬送され、間質性肺炎で死亡した患者も。
自宅にシアリス錠50mgがあったことをきっかけに、個人輸入した正規品ではないシアリスを服用したことが原因ではないかとしたニュースがありました。
患者の遺品には、シアリスのほか、勃起不全治療薬のレビトラ(バルデナフィル含む)、抗真菌薬のジフルカン(フルコナゾール)の模造品などが発見されています。
病院で処方されるシアリスの値段は1錠2,000円が相場。
しかしジェネリックはもっと安いです。
「メガリス」「タダリス」「アプカリス」など人気ジェネリックの相場はなんと450円ほど。
ただし、ジェネリックは当然、厚生労働省の許可が下りていないため、個人輸入代行業者から入手するしか方法がありません。
こちらのニュース でもあるように、半分近くが偽物ジェネリックだという状況です。
さらに、ジェネリックは製造方法が違うので、副作用の出方も新薬とは違ってくる可能性もあります。
新薬で副作用が出なかったとしても、ジェネリックで副作用が大きく出るなんてことも普通にあり得ます。
本物のジェネリックと偽物には、基本的に私たち素人がパッと見て判断できるような違いはありません。
有効成分「タダラフィル」を20mgか10mgまたは5mg配合しているのがシアリスです。
せめてそれくらいは知っておけば防げたことかもしれません。
無知っていうのは怖いですね。
最近は偽物を製造や密売していた業者が摘発されるニュースも多いので、注意してみておくといいと思います。
完全に病院で診てもらうのは恥ずかしいという弱みを突かれていますね。
危険とわかっていながら、個人輸入代行のサイトから買わざるを得ない状況だと思います。
普通にみんな診療してもらってるよというような宣伝をしていたりしますが、正直、値段が違いすぎるのも大きいと思います。
個人輸入業者から購入できるシアリスのジェネリックがありますが、これは唯一インドで製造しているシアリスのジェネリックで正規のルートでの販売は認められていないんです。
もし価格のことが問題であるなら、バイアグラのジェネリックは発売されているので、そちらを検討してみるのがいいかもしれないですね。
奈良県は26日、勃起不全治療薬のシアリス(有効成分:タダラフィル)の海外製模造品による健康被害が発生したと発表した。
県薬務課によると、昨年6月頃に40歳代の男性がシアリスの正規品にはない50mg錠を服用し、数時間後に痙攀、意識低下で同県立医科大学病院に搬送され、脳血栓が確認された。同病院の医師への聞きとりで分かった。男性は回復して退院しているが、症状と模造医薬品との因果関係は否定できないという。
同病院では、1月中旬に呼吸苦で搬送され、間質性肺炎で死亡した患者宅にシアリス錠50mgがあったことをきっかけに、県に相談した。患者の遺品には、シアリスのほか、勃起不全治療薬のレビトラ(バルデナフィル塩酸塩水和物)、抗真菌薬のジフルカン(フルコナゾール)の模造品もあった。
同県は、個人輸入した医薬品について、品質、有効性、安全性が国内で薬事法に基づいて確認されておらず、期待する効果が得られなかったり、人体に有害な物質が含まれている場合があると、注意喚起している。
薬事日報:2011年4月28日 【奈良県】シアリスの模造医薬品で注意喚起